農林水産省「令和5年度 食料・農業・農村白書」にて
eワーク愛媛のおもいやり食料、フードバンク活動が紹介されています。
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農林水産省「令和5年度 食料・農業・農村白書」】
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農林水産省「令和5年度 食料・農業・農村白書」のeワークが紹介されているpdfページ】
2024年4月23日(火)
「第2回義農大賞」を受賞いたしました!
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第2回義農大賞受賞についての詳しい情報を見る】
はじめに
新型コロナウイルス感染症の影響長期化や、ウクライナ情勢による世界的な食料供給体制の変化など、この数年の間に、私たちの食生活にとって深刻な問題が生じました。この状況は、国内7人に1人と言われている相対的貧困の子どもや134万と言われているひとり親世帯に重くのしかかったと言えます。
また、国内の食料自給率は低位で推移(カロリーベース37%前後)しており、多くの食料を輸入に頼っている状況です。一方、国内では年間約522万トン(令和2年度農林水産省推計)もの食品ロスが生じており、市町村の年間廃棄物処理費用は2兆円に達しています。
このような背景のもと、食品ロスを減らし、食料を有効に活用できるフードバンク活動が、近年注目されるようになってきました。
しかしながら、フードバンク活動は、食品事業者などから無料で食料の提供を受け、福祉団体やこども食堂などに無料で食料を配布する事業のため、安定した収入源が無く、ボランティアの方たちのご協力や寄付金、助成金に頼るなど、不安定な運営を続けています。
このたび、地域の企業や経済団体の皆様に、フードバンクの事業内容とその社会的効果を知っていただき、活動へのご支援・ご協力をお願いしたく、説明の資料をお届けすることにいたしました。
ご一読いただき、私たちフードバンク事業へのご支援・ご協力についてお考えいただけますよう、よろしくお願いいたします。
当法人について
当法人は、2003年12月の任意団体活動開始以降、ひきこもりやニートなど困難を抱える若者の自立支援(相談支援、アウトリーチ、居場所づくり、就労体験・見学・中間的就労の受入企業の開拓等)事業を実施しています。
また、被支援者中44%の若者の背景に生活困窮があることがわかり、2012年11月より被支援者の側面的支援および、社会体験の場創出の両面を目的として愛媛県内の草分けとしてフードバンク事業を開始し、生活困窮者支援を行っている団体や福祉団体に食料提供を行っています。ひきこもり・ニートの原因ともなる幼少期の困窮世帯支援や地域交流の推進などを図るために、2019年8月、こども食堂を開始しました。
2020年12月には、新型コロナウイルス禍の拡大にともない、これまで以上に困難を抱える若者やシングルマザー世帯が増加していることが分かり、食料を必要としている方が無料で食料を選んで持ち帰ることができる無料のフードマーケット事業として、フードバンクの食料を活用した「コミュニティパントリー」事業を開始しました。
えひめフードバンク愛顔(えがお)の運営理念
私たちeワーク愛媛のフードバンク事業「えひめフードバンク愛顔」は、以下の理念のもと、活動を行っています。
①「もったいない食料」を「おもいやり食料」に変える
②単なる施しにならない食料シェア(対面型コミュニティパントリー運営等)
③地域循環型フードバンク活動を進める
④バランスよくフードバンク機能(食品ロス削減、地域再生・地域共生、
格差の縮小)を活用する
1)「もったいない食料」を「おもいやり食料」に変える
フードバンクで活用するのは、食べることができるのに、捨てられそうになっている食べ物です。捨ててしまうと「食品ロス」=「もったいない食料」になってしまいますが、それを食べることに使うと、食べ物を必要としている方や団体の助けとなる「おもいやり食料」となります。
フードバンクで活用される食料の呼称は様々です。「フードバンク食料」「未利用食料」「食品ロスの食料」いろいろありますが、提供する側からすれば、呼称はどうあれ、食べることに使われるのであれば気にする必要はなく、意味が通じればいいと思いがちだと思います。
それが食べるために食料を受ける側はどうでしょうか。「フードバンク食料」「未利用食料」は、いかにも事務的で食料としての美味しさ、ありがたさが薄れます。ましてや「食品ロスの食料」だと食品ロスにはなっていないのに「食品ロス」とはどういうことだと思うし、いかにも無機的な印象を受けます。
「おもいやり食料」という言葉は、私たち「えひめフードバンク愛顔」が使っている言葉です。「もったいない食料」を活用して「ありがとう」につなげる「おもいやり」のこもった食料にしようという願いが込められています。
2)単なる施しにならない食料シェア(対面型コミュニティパントリー運営等)
フードバンクの食料は、食料支援を行う団体とシェアしたり、食料を必要としている方に個別に配布したりしています。しかしながら、食料を配布するだけでは、「単なる施し」になってしまいます。その裏にある、食料を必要とする方の相談・自立改善の支援やその方たちを支援する団体との連携・課題解決も考えているのが私たちの活動です。
特に最近見られるようになった無人式の食料配布システムでは、人と人のつながりがなく、単に食料を配布するだけの活動になってしまう可能性があります。私たちは、2020年12月、コロナ禍以降増加した個人からの食料支援依頼を受けて、対面式の無料のフードマーケット「コミュニティパントリー」を開始しました。ここでは、自由に選んで必要な食料を持ち帰るだけではなく、利用者の見守りや個別の相談支援、他の支援機関へのつなぎ役となる等、利用者一人一人と向き合って対話することを趣旨とした食料配布システムとして運営しています。
3)地域循環型フードバンク活動を進める
食料の流通過程で発生する環境への影響を表す言葉として、フードマイレージがあります。近年、この言葉の認識は向上していると思いますが、食品ロスにも食品ロスのマイレージがあり、フードバンク食料にもフードバンクマイレージがあるという考えを私たちは持っています。
地域で発生した未利用食料は、地域で「おもいやり食料」として活用する。それが、地域にも環境にも、さらに優しい地域循環型フードバンク活動だと捉え、県内外にネットワークを広げています。
4)バランスよくフードバンク機能を活用する
フードバンクには、大きく分けて3つの効果(食品ロス削減、地域再生・地域共生、生活困窮者支援)があります。このうち、どの効果を優先させても、どこかにしわ寄せが生じるバランスの悪い活動になると私たちは考えています。
例えば、生活に困難を抱える家庭の支援にフードバンク食料を活用することを優先すれば、食品ロスを低減する優先順位は下がり、食品ロスが減少すればフードバンク食料が減少するため、それを好ましくないと評価をするようになります。
また、食品ロス削減を優先すれば、フードバンク食料の効率よい消費を優先するあまり、食料に困っていない世帯への食料配布もいとわなくなります。地域再生や地域共生などを優先すれば、地域活動優先になり、生活に困難を抱えている方への支援が疎かになる懸念があります。
私たちは、3つの効果をバランスよく活用しながら、できるだけ多くの方や地域に貢献できるよう、フードバンク活動を続けられることを目指しています。
フードバンクのチラシとパンフレット
チラシ「フードドライブにご協力ください」(PDF形式)
パンフレット「フードバンク事業にご協力ください」(PDF形式)
えひめフードバンク愛顔の「トリセツ」
ト <トモニ>ともに作る地域循環型フードバンク活動
私たちの目指しているのは、「地域循環型フードバンク活動」です。
「地域で発生した未利用食料は地域で活用する」これが地域循環型です。
食料にフードマイレージがあるように、食品ロスにも、未利用品の活用にもマイレージがあります。
できるだけ環境に配慮した活用を心がけたいですね。
リ <リカイ>理解を広げるフードバンク活動の効果
フードバンクの活動には大きく分けて3つの効果があります。
それが「食品ロス削減効果」「食料シェア効果」「地域再生・地域活性化効果」です。
このうち、どの効果を優先させても、どこかにしわ寄せが生じるバランスの悪い活動になると
私たちは考えています。
私たちは、3つの効果をバランスよく活用しながら、できるだけ多くの方や地域に貢献できるよう
フードバンク活動を続けられることを目指しています。
セ <セッカク>せっかくフードバンクに寄付するのなら早めにお願いします
フードバンクにご寄付いただく食料は、できるだけ賞味期限が長いとありがたいもの。
最近、消費者庁も賞味期限は「おいしいめやす」を愛称として、食べられなくなる期限とは
違うことを啓発しています。
しかしながら、フードバンクに寄付された食料を配布する先の方には、
少しでも気持ちよく安心して食べていただきたいのが正直な気持ち。
それは、賞味期限切れが悪いという事ではなく、食料を必要としている方には
「私たちは賞味期限が切れても、どうせ食べるのだろうと思われている」という
気持ちが少なからずあるからです。
なので、せっかくフードバンクに寄付するのなら、早めにしていただけると助かります。
ツ <ツカエル>使える食料はまずは自分たちで使ってください
フードバンクに提供していただいた食料は、ありがたく、残すことなく、活用させていただいています。
食料を必要としている方や、食料を活用する団体はますます増えているため、
寄付していただける食料が増えることは大変ありがたいものです。
かといって、食品関連事業者等、食料を寄付して下さる皆様には、
先ず未利用食料が発生しない取組みを行っていただき、どうしても発生する場合には、
自社内でのリサイクルや活用をお願いし、それでもどうしても未利用食料が発生し、
食品ロスになってしまう場合はフードバンクに寄付していただくようお願いしています。
えひめフードバンク愛顔の「トリセツ」(PDF形式)
フードバンクの絵本ができました
「令和5年度 食料・農業・農村白書」にて紹介されました
農林水産省「令和5年度 食料・農業・農村白書」(令和6年5月31日公表)にて
eワーク愛媛のおもいやり食料、フードバンク活動が紹介されています。
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農林水産省「令和5年度 食料・農業・農村白書」】
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農林水産省「令和5年度 食料・農業・農村白書」のeワークが紹介されているpdfページ】