1.西条市の拠点整備
西条市に設置した無料の食料配布施設をさらに発展させ、フードバンク、フードドライブの事務局および、東予事務局として運用できるよう整備しました。
また、コロナ禍の影響や格差の中で困難を抱えているひとり親世帯の方など、食料シェアが必要な方が気軽に訪れることができる、常設型のフードパントリー(コミュニティパントリー)として活用できるよう、備品を整備しました。
***西条コミュニティパントリー***
2.食料寄付受入の拡大
愛媛県内のこども食堂の増加(2020年60ヶ所⇒2021年12月末時点83ヶ所)やコロナ禍などが起因となって食料シェアが必要になる方の増加に対応するため、フードドライブの拡大や企業からの食料寄付受入の増加対応を実施しました。
1)常設型フードドライブの拡大
愛媛県・株式会社フジ様との連携により2021年4月より店舗常設型フードドライブが3店舗で開始されました。
その後、さらに常設型フードドライブを拡大するため、企業や団体との連携を進め、また、フードドライブに寄付された食料の効率的な活用を進めるための、食料利用団体との調整を進めました。現在も、
フードドライブの拡大、食料シェア先との連携を継続して広げています。
また、地元新居浜市では、イオンモール新居浜でのフードドライブ実施に合わせ、2回にわたり市内全域に自治会回覧板でのチラシによる広報を実施した他、イオン店内でのチラシ配布により消費者の皆さまへの未利用食料の寄付を呼びかけました。
店舗常設型フードドライブは、2021年4月時点で県内3店舗だったものが、
2021年12月現在では31ヶ所に増加しています。
***愛媛県内・店舗常設型フードドライブ実施地域での取組***
愛媛県内店舗常設型フードドライブ実施個所
東予信用金庫様のフードドライブコーナーにて(2021年10月)
イオンモール新居浜でのフードドライブ(2021年10月)
道後さや温泉ゆららのフードドライブコーナー(2021年11月)
2)企業からの食料寄付受入拡大
県内企業や近県の企業への当フードバンク事業のPRを実施しました。
地元の食品関連企業や災害対策の備蓄食料を保管している企業、地域の生産者の皆さまへのパンフレットでの広報を中心に実施しました。
フードバンクへの食品関連企業様からの寄付食料の量は、2020年度実績17トンに対し、2021年12月現在の集計では27トンであり、2021年度は35トンまで増加する見込みとなっています。
***食料寄付受入に関する取組***
JP労組・愛媛連協様からの寄付食料贈呈式の様子(2021年11月)
キユーピーみらいたまご財団様より氷菓をいただき、こども食堂などに配布しました(2021年12月)。
伊方町のユウギボウシ様より旬の柑橘(天草、ポンカン、デコポンなど)をご寄付いただきました。
近隣の生産者様からもご寄付が増加しています。
ご寄付いただいた食料は、こども食堂などでフードパントリーとしてお配りする機会が増えました。
これらの取組は、
「赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン フードバンク活動等応援助成事業」を受けて活動しております。
ご寄付いただいた皆様へ
当方のフードバンク活動は2012年から開始し、今年で10年目を迎えました。
2019年頃までは徐々に食料寄付企業や食料の活用先の福祉施設やこども食堂との食料シェアを増やしてきましたが、
コロナ禍以降、食料シェアが必要なひとり親世帯の方や困難を抱える若者、障がい者世帯の方などが増加し、食料の取扱量を増加させるための活動が必要になっています。
また、活動を拡大・継続させるための、ボランティア確保や活動資金が必要になっています。
しかしながら、農業問題研究第50巻第1号(2018.7)の「我が国のフードバンク活動の状況と課題」で紹介されているように、
大都市圏のフードバンクと地方のフードバンクには寄付金や助成金の獲得やボランティアなど協力者の獲得に格差があることがわかっており、その中で事業の継続に苦慮してきました。
そのような背景があるため、特に当法人のように地方の団体にとって、赤い羽根共同募金などの助成金制度があり、それを活用できることは大変ありがたいことだと思っています。
貴重なご寄付いただいた皆様には、このような時期に充実した活動ができたことに対して、こころよりお礼を申し上げます。