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愛媛県内の困難を抱える若者の状況についてHEADLINE

支援必要者の状況

 愛媛県が平成30年12年に発表した調査結果によりますと、県内で確認されたひきこもり状態の人は1,000人(令和2年4月愛媛県人口中0.07%)という状況でした。この人数は、民生委員等が確認できた数値であり、まだ隠れたひきこもり状態の方が居ることが予想できます。
 一方、平成29年度政府が行った就業構造基本調査に基づき、愛媛県が出した県内の15歳から34歳までのニートの人数推計値は6,400人(年代別人口比率2.70%)となっています。
 また、厚生労働省が平成31年3月に発表した「子ども若者白書」によると、15歳から39歳までの年齢層のひきこもりは541,000人、40歳から64歳までの年齢層のひきこもりは613,000人となっています。
 これらの数値をもとに、愛媛県内のニート、ひきこもりの人数の推計を試みました。
 この推計によると、愛媛県内のニートの想定人数は、15歳から39歳までが7,717人(40歳から64歳まで10,621人、計18,338人)、ひきこもりの想定人数は、15歳から39歳までが4,487人(40歳から64歳まで6,176人、計10,663人)となりました。
 この結果から、県内の確認されたひきこもり1,000人に対し、確認されていないひきこもりの人数を含めた想定人数は10倍近い数値になり、約90%(15歳から39歳までで4,000人以上)のひきこもり状態の人は、周りに気付かれることなく、支援を受けることができていないことが考えられます。
 また、ニート状態の15歳から39歳の若者は、ひきこもり状態の若者も含めて7,000人以上いることが推計され、多くの困難を抱える若者が支援を受けることができないまま過ごしていることが予想されます。

 愛媛県が発表している就業構造基本調査によるデータからのニート人口比率の推計値も、全国の人口比率2.30%に対し、愛媛県内の人口比率は2.70%と多い割合になっており、他の都道府県よりも困難を抱える若者の割合が多い状況であることが判断できます。
 さらに、新型コロナウイルス発生以降、困難を抱える若者からの直接・間接的な相談の状況や、フードバンク事業への電話・電子メールでの問い合わせ状況によって、これまで以上に困難を抱える若者が増加している、または表面化していることが分かりました。
 コロナ禍だけではなく、物価高や景気の低迷、所得の低迷など、昨今の若者の雇用、自立に対する環境は厳しいものになっており、今後、支援を受けることができないままの若者が増加することで、8050問題ともいわれる深刻化した事例がますます増える可能性があります。
 今回の事業では、上記の状況を総合的に判断し、支援体制の整備と事業の広報を行うことにより、支援が必要な若者の掘り起し、若者の支援受け入れ先としての企業開拓、相談機会の提供などに取り組んでいます。

愛媛県内の困難を抱える若者に関するデータ

資料2 愛媛県内 支援必要者推計人数


 人口:令和2年4月8日愛媛県発表数値
 ①:平成29年度就業構造基本調査によるデータより愛媛県推計値
 ②:令和元年子ども若者白書(厚生労働省)
 ④:⑥÷⑤×③で40歳以降のニート比率を想定し算出

資料3 ひきこもり人数全国人口比率


※政府推計2019/3/29発表をもとに作成(2023/2/17)
※⑤=④/③・・・年齢差による人口比率92.36%で低下

資料4 ひきこもり人数推計値


①:874人は、県内確認されたひきこもり人数1000人から70歳以上および年齢不明人数126人を除外
①の人口比率:①/⑤
②の人口比率:愛媛県発表、平成29年就業構造基本調査によるデータからの引用